吉田Pのオススメふきカエル

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『超人対闇の騎士、世紀の激突!』

『マジンガーZ対デビルマン『ルパン三世vs名探偵コナン』』『サイボーグ009vsデビルマン』『ウルトラマンvs仮面ライダー』…あと何かあったっけ。

『バットマンvsスーパーマン ジャスティスの誕生』

バットマンvsスーパーマン
©2015 WARNER BROS. ENTERTAINMENT INC., RATPAC-DUNE ENTERTAINMENT LLC AND RATPAC ENTERTAINMENT, LLC

3月25日 3D/2D/IMAX 同時公開
監督:ザック・スナイダー
出演:ベン・アフレック ヘンリー・カヴィル
配給:ワーナー・ブラザース映画
公式サイト:
wwws.warnerbros.co.jp/batmanvssuperman/

人類の味方として幾多の危機を救ってきたスーパーマン。しかし、その超人的な力に対する人々の「畏れ」はやがて「恐れ」へと変わり、ついにスーパーマン排斥運動へと発展していく。そして、同じくスーパーマンに憎しみの目を向ける男が一人。彼もまたヒーローとして街の平和を守ってきた闇の騎士、バットマンだった。二人のヒーローが対立する中、スーパーマンの宿敵であり天才的頭脳を持つ犯罪者、レックス・ルーサーの陰謀が動き出す…

 
『ウルトラマンvs仮面ライダー』なんてないだろ、と仰るそこの貴兄。ちっちっちっ。あるんだなこれが。仮面ライダーが巨大化して、ウルトラマンと共に怪獣サソリガドラスを倒すという93年制作のビデオ・オリジナル特撮作品。ナレーションはウルトラマンの浦野光氏と仮面ライダーの中江真司氏が共同で担当、監督は『人造人間ハカイダー(傑作!)』の雨宮慶太…ほーら観たくなったでしょ?

こうした作品群の肝は「ピンで主役を張っている(どっちも正義の味方の)キャラ同士がナゼか戦う」と(タイトル上は)なっている点。まあ戦うっつっても実際は「俺のほうが強いぜ!」って意地を張り合う程度で、最後は手を組んで共通の敵と戦うという展開なのですが、「マジンガーZとデビルマンがタイマン張るの?すっげー!」と小学生男子のハートに火をつける目的でこういうタイトルになっているのです。そんな少年期を過ごした元小学生男子のハートに再び火をつけるべく作られたのが、今回の『バットマンvsスーパーマン』というわけ(…ちょっと違うか?)

バットマンが現在の形でスクリーンに登場したのは1989年。それまでのテレビ版からデザインを一新し、ダークなゴシック風バットマン像を作り上げたのは奇才ティム・バートン。異形のキャラクターたちが登場する独自の世界観で作られた新生バットマンは大ヒットし、続編を含め四本が制作されました。毎回悪役を大スターが演じるのが特徴で、一作目のジャック・ニコルソン(ジョーカー)、『リターンズ』のミシェル・ファイファー(キャットウーマン)、『フォーエヴァー』のジム・キャリー(リドラー)と続いて『Mr.フリーズの逆襲』ではなんとアーノルド・シュワルツェネッガーが登場、という豪華版でした。

21世紀に入り、バットマンはクリストファー・ノーラン監督の手で再びリブートされます。2005年の『バットマン ビギンズ』に始まる、所謂『ダークナイト三部作』。中でも二作目の『ダークナイト』は全米だけで5億ドル、世界興行収入で10億ドルを超えるメガヒット。ゴシック・ファンタジーだったバートン版から世界観を一変し、クリスチャン・ベールがリアルな現代社会で戦う闇の騎士を演じました。

一方のスーパーマンが本格的に映画化されたのは1978年。ジョン・ウィリアムズのあまりに有名なテーマ曲に乗せて“SUPERMAN”のタイトル文字がビシューン!と光の尾を引いて登場するオープニングは、当時としては画期的。クリストファー・リーヴという、まさにスーパーマンそのものの逸材を主演に迎えたこのシリーズは、番外編の『スーパーガール』も含めて全五作が作られます。話がそれますけど『スーパーガール』の公開時、日比谷の有楽座に掲げられた主演女優ヘレン・スレイターの看板がすっげぇ可愛かったのは青春の思い出。

『スーパーマン』も『バットマン』同様、21世紀に入ってから度々リブートされます。しかし2006年に『X-MEN』シリーズのブライアン・シンガー監督で製作された『スーパーマン リターンズ』は、そこそこヒットはしたものの作品の評価は今ひとつ。その後2013年にザック・スナイダー監督、ヘンリー・カヴィル主演の『マン・オブ・スティール』として再起動されます。その直接の続編となるのが今回の『バットマンvsスーパーマン』というわけ。

バットマンとスーパーマンといえば、アメコミ界二大勢力のひとつ、DCコミックス陣営を代表するヒーローですが、21世紀に入ってからというもの、映画界はもう一方の雄であるマーベル・コミックス陣営が席巻中。『X-MEN』と『スパイダーマン』がそれぞれシリーズ化されて大ヒットし、『アイアンマン』に『キャプテン・アメリカ』に『マイティ・ソー』、そしてそれらのヒーローが勢揃いした『アベンジャーズ』と、向かうところ敵なしの大進撃です。
こうなるとDCコミックス陣営としても負けてはいられず、バットマンとスーパーマンを始めDCヒーローが集結する『ジャスティス・リーグ』(つまりDC版『アベンジャーズ』)に向けて、数々のヒーロー映画の企画が進行中。その先陣を切るのが、今回の『バットマンvsスーパーマン』なのです。

世界中の注目を集めてついに始まる、二大ヒーローの激突。その日本語吹替え版にも、注目すべき声優が揃いました。スーパーマン役はもちろん前作に引き続き、星野貴紀。そして今回初めてバットマンを演じるベン・アフレックの声には小原雅人。ベン・アフレックが今回のバットマン役に決まったときはファンからブーイングが起きたのですが(まあこの人が以前にやはりアメコミヒーローを演じた『デアデビル』がちょっとアレだったもので)、いざ蓋を開けてみたら「え、結構いいじゃん…」となったのは御存知の通り。歴代で最もタフでゴツい(何せ相手がスーパーマンですから)バットマンに、小原氏の低音ボイスはぴったりです。さらに例の早口で喋りまくるジェシー・アイゼンバーグ(レックス・ルーサー役)に神谷浩史、ホリー・ハンター演じる女性議員に高島雅羅さんと、実力派の揃った吹替え版です。
(日本語吹替え版のスタッフ・キャストはこちら)

豪華な声優陣を得て激突する二大ヒーロー。それはDCコミックス・ユニバースの華麗なる幕開けでもあります。世紀の対決を、見逃すなかれ!

 
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まずはこっちを先に観ておかないとマジで理解できないのでご注意。あとCSIのファンなら「ホレイショの声で喋るラングストン教授」という楽しい吹替えが観られます。
 

[商品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合や既に廃盤となっている場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。