飯森盛良のふきカエ考古学

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まさかのザ・シネマが『プロメテウス』ふきカエ佐古真弓バージョンを新録!の巻

9月、超大ネタとして、『エイリアン』シリーズ全部を放送しましたザ・シネマの飯森です。もちろん最新作『エイリアン: コヴェナント』にあわせての企画でした。当然ふきカエ版でも『プロメテウス』まで全作放送しましたよ。あ、ちなみに「エイリアン」全4本→『プロメテウス』→『エイリアン: コヴェナント』というのは1つのシリーズですので。

『プロメテウス』といえば、たいへん話題になった、人気女優の剛力彩芽さんによる20世紀フォックスの公式ふきカエ版。ノオミ・ラパス演じる主人公エリザベス・ショウ博士役を大熱演されています。実は何を隠そうワタクシ、剛力彩芽ものすごく好みのタイプなんです!もう、内田有紀、遠藤久美子の昔から無類のスポーティーボーイッシュ女子好きなので、当代なら彼女に決まり!

知名度の高い芸能人を洋画ふきカエに起用するのは、もちろん宣伝効果を狙ってのことでしょう。これ、配給元さんから聞いた訳じゃなく、ワタクシが勝手に忖度してるだけですが、きっとそのはず。

もうちょっと専門的な話をしましょう。いわゆるひとつの「広告換算」という考え方が宣伝業界にはございまして、TVの世界で言うと「もしこれと同じ時間CMとして流したら総額X百万円はかかったが、各局のワイドショーの芸能ニュースがタダで取り上げてくれた!」という考え方。

「広告換算」については以下のサイトがとても解りやすいです。
http://blog.cd-j.net/?p=235

芸能人を起用することでそれが可能となる。TVだけではありません。雑誌の記事で紹介される。それだって、雑誌広告だったら何十万円かかったか。それがタダに!という¥換算が可能。

これ、ワタクシどもの業界では、“宣伝の成果”と評価されます。映画がヒットした場合、このおかげもあって大ヒットに結びついたと評価される。もしそこまでヒットしなくても、この芸能人さんによるメディア露出がなかったら、もっと悲惨な結果になっていたはず、この程度で済んだのは芸能人さんのおかげだ、と評価される。

そういう訳で、芸能人ふきカエは近年ではお馴染みですし、そもそも昔から、CXゴールデン洋画劇場は芸能人ふきカエが得意技で、あれワタクシ大好きでした!以前この場で書いた渡辺裕之さんの『トップガン』トムクルと根津甚八さんの『アンタッチャブル』けびんこ♥。あとマクレーン刑事はワタクシ村野武範版が個人的に一番好きです。Wユージ版『バック・トゥ・ザ・フューチャー』とかツービート版『Mr.Boo!』なんて事故物件も、今となっては楽しい思い出です。

ああそれと12月にウチで野村義男×高見知佳版『超能力学園Z』やるんだった!ヨッちゃん普通に上手すぎて声優さんかと思っちゃった。お見逃しなく!

閑話休題。今に始まったことではない、昭和の昔から連綿と続く、芸能人ふきカエの輝けるヒストリー。そんな歴史の1ページに残るであろう、剛力彩芽さんの20世紀フォックス公式版ふきカエ『プロメテウス』なのです。ウチでの放送でお楽しみいただけた方も多いと思います。

なんですがぁ!これだけで満足しとけばいいようなものを、ワタクシ、マニアの悪い病気がまたぞろ発症してしまいまして、「いいんだけどぉ、ノオミ・ラパスのFIX声優である佐古真弓さんのバージョンも見てみたかったな…」と、思っちゃいまして、思うだけにとどまらず、そういうマニアがこういう業界にいると、実際に作っちゃうんだな、これが!

飯森盛良のふきカエ考古学

ということで、12月、やります!佐古真弓版『プロメテウス』ふきカエを!! さらに、シャーリーズ・セロンにもFIXの本田貴子さんを起用!フュリオサ隊長~♥ フュリオサもショートカット(?)でスポーティー(?)でボーイッシュ(?)で、もろタイプ!!!

まあそれはいいや。とにかく、作ります!ザ・シネマ新録版を!! これ、『ブレードランナー』以来!あの時もワタクシの悪い病気が発症し、我が社の先人が昭和61年に作った堀勝之祐版があるにもかかわらず、どうしてもハリソン・フォードFIXの磯部勉さんのバージョンも見てみたいと、公費を私的に使ってマニア欲求を満たしたのでした。今年ソフトにもそのザ・シネマ版音源が収録されたみたいですし、あと『ブレードランナー2049』もデッカードは磯部さんだそうなので作った甲斐あったな。あ、『2049』は大傑作!21世紀に入ってからワタクシが見た中で最高のSF映画でした!

今回の『プロメテウス』ザ・シネマ新録版。続編である『エイリアン: コヴェナント』もそろそろソフトが発売になるんじゃないかと思いますが、そちらにも続投しているマイケル・ファスベンダーの声は、宮本充さんにお願いします。『エイリアン: コヴェナント』も宮本さんですのでキャスト変更が生じないよう作ります。そもそもフォックス公式版『プロメテウス』でも宮本さんでしたから、宮本さんは2回も同じ映画をアテていただくことに。ご面倒おかけします。

このようなマニアの病、今後も鋭意ときどき発症してまいる所存です!

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