ダークボのふきカエ偏愛録

「あの頃」への想いを込めて

宮川一朗太さん×山寺宏一さん版「バック・トゥ・ザ・フューチャー」トリロジー、お楽しみ頂けましたか?
インディ・ジョーンズは残念だったけど、もうこれで思い残すことはありません。平成もあと1年足らず、昭和のふきカエオヤジはこれにて引退します。

デンジャラス・ラン [DVD]

…と締めるつもりだったんですが。
ここにはちょっと書けないハプニングも手伝って、またまた新録ふきカエを作っちゃいました。
BSジャパン「シネマクラッシュ」にて、8月8日(水)夜8時から放送の『デンジャラス・ラン』です。

『イコライザー』、『トレーニング デイ』など、正邪すら怪しい曲者ヒーローを好んで演じ続ける名優デンゼル・ワシントンと、苦難のキャリアを『デッドプール』で乗り越えた不屈のヒーロー、ライアン・レイノルズがタッグを組んで、南アフリカ・ケープタウンを舞台に、決死の逃走劇を繰り広げるノンストップサスペンスアクション。
4年がかりだった「バック・トゥ・ザ・フューチャー」とは違って、作ろうと思い立ってから実質4週間という無茶ブリにもかかわらず、今回も豪華な声優陣が集まってくれました。
デンゼル・ワシントンのふきカエは、BSジャパンでは「コンシェルジュ」と呼ばれている大塚明夫さん。ライアン・レイノルズは、加瀬康之さん(DVD版は松本保典さんですが、グリーンランタンよりデップーの声で、というのが新録のきっかけの一つでした。松本さんには申し訳ないけど)。
そしてライアンの上司、ブレンダン・グリーソンは玄田哲章さん。CIA副長官のサム・シェパード(惜しくも昨年亡くなりましたね。合掌)は野島昭生さん。女性エージェントのヴェラ・ファーミガは山像かおりさん。他に小松由佳さん、田中正彦さん、辻親八さん、梅津秀行さん、小松史法さん、などなど。いやー、楽しいな。

ダークボのふきカエ偏愛録

テレビのふきカエは、こうした面々が一堂に会して収録するのが当たり前ですが、地上波の「洋画劇場」がめっきり減った今では、貴重な現場になってしまいました。昔は毎週のようにやってたんだけどね…。
それだけに、収録後の打ち上げも盛り上がります。「木曜洋画」でも何度もお世話になりましたが、俺の世代にとっては今でも“キット(ナイト2000)”の野島昭生さんと同席できる幸せ。「20世紀名作シネマ」で新録した『恐怖の報酬』の現場が忘れ難い田中正彦さんは「ロバート・パトリックは昔『素顔のままで』でも演ったんだよ」と楽しそうに話されてて。皆さん、演じてきた役を大事にされてるんですね。

『デンジャラス・ラン』は、意外にも今回がフリーテレビ初放送です。こういうのを取りこぼさないのが「木曜洋画」スピリッツ。
はっきり言っておきますが、「ノーカット」ではありません。
今では、テレビの「洋画劇場」はオリジナルの映画をカットした放送、と思っている人も多いと思いますが、ちょっと違います。オリジナルのエッセンスを活かしつつ、放送枠に合わせて、CMを挟みながら観て頂く前提で制作された「番組」なのです。ノーカットで観たければDVDなりデジタル配信なり、他に手段があるわけですから、民放テレビの「洋画劇場」は、オリジナルの映画とは別物として楽しんで頂きたく。

『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のようなお祭り感はありませんが、民放各局の「洋画劇場」が毎週当たり前のようにふきカエを制作していた「あの頃」への想いを込めて新録した『デンジャラス・ラン』。肩の力を抜いてお楽しみください。

こうなったら、平成の次まで行くぞ! 今度は何作ろうかなあ。

 

[作品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているDVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合や既に廃盤となっている場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。