山寺宏一さんインタビュー

山寺宏一さん
CS映画専門チャンネル・ムービープラスにて、人気声優にフィーチャーし、その声優が吹替えた映画を特集する人気企画「吹替王国」!
2018年7月から6ヶ月という長期にわたり、吹替映画やイベントが楽しめるスペシャルな内容となっています。

11月は、山寺宏一さんを主人公の吹替えに迎えた『コップ・ベイビー【日本語吹替版】』をテレビ初放送!ロシア発の映画に山寺宏一さんをはじめとしたアクロスエンタテインメントの声優陣が集結!
その『コップ・ベイビー【日本語吹替版】』の放送に先立ち、山寺宏一さんへのインタビューを行いました!どうぞお楽しみください!

 

——今回、なかなか日本で観る機会の少ないロシアのコメディ映画の放送、なおかつその作品を吹替えで、ということでこの企画を聞いた際はどう思われましたか?
山寺宏一さん:まずリハーサルで観て、あれ?これ、アメリカ映画じゃないぞ、どこの映画だろうって思ったら、ロシアなんだ!ってなって。でも、この作品が面白いってことはすぐわかりました。
このおっさんを俺がやるの!?って、まずそれにビックリしました。若い頃を描くのかなーとか、タイムスリップでもするのかなーって思っていたら、あんな展開で。驚きでした(笑)。

——作品について
ネットで検索してみたんですけど全然出てこなくて。そしたらまだ日本に入ってきていない映画なんだと聞いて、もったいないと思いましたね。ロシアにこんなエンターテイメントに溢れた楽しい映画があるなんて、失礼ながら知らなかったので衝撃でした。

——劇中の展開について
愕然(笑)。
台本の最初にあらすじが書かれているのですが、そこを見ると色々とネタバレするので、まずはフラットな気持ちで作品全体を確認しようと思って観たので、本当にびっくりでした。最初のままだと自分が普段やらないような役なので、逆にあの展開になってくれたことで助かったというか、安心しました。
(あのキャラクターは)いったいどこまでがCGでどこまでが実写なのか、そんなことも考えながら観たんですけど結局最後までわからなかったです。今日スタッフの方に伺ったら、男性が演じててそれをCG化している部分もあるそうですね。予想以上に相当すごいCGを使っているらしいです。まあ、物語の途中からはそんなことも気にならないくらい楽しめましたが。

——演じる時に意識したことはありますか?
キャラクターの姿は変化しますがセリフは元のキャラクターのままなので、大きく意識した部分は少ないんですよ。多分演じている役者さんももうノリノリでしょうね。やればやるほどギャップが面白くなるので。
『ボス・ベイビー』という作品に出演したばかりで、全然違う役柄でしたが、ああいうギャップのあるものってやっぱり楽しいですよね。今作はアニメでなく実写ということで、それを超えるような衝撃を受けながら、非常に楽しく収録をさせていただきました。

——日本語吹替え版の魅力はどんな部分だと思われますか?
単純に分かりやすいってことですね。字幕という選択肢もありますけど、字幕を読むわずらわしさがない。ただしこれは日本語吹替えの声優が上手く演じなければ、伝えたい事が上手く伝わらないわけで、作品の面白さを分かってもらうためには、当然声優の力量が大切になってくる。

山寺宏一さん——この作品ではアクロスエンタテインメントの後輩の方々とも、ご共演されましたがいかがでしたか?
ありがたいです。うちのメンバーだけで吹替えの映画を丸々演じるというのはあまりないことですからね。他の事務所さんでは分かりませんが、こうやって「吹替王国」というスペシャルな企画の中でやらせていただけるというのは本当に嬉しい事ですよ。

——後輩の方々の成長ぶりは、ご覧になっていかがでしたか?
今回は、僕、自分の役が大変なんで、人の事とか構っていられなかったですね(笑)。
僕自身、先輩から色んなアドバイスを言っていただくのはありがたいんですけども、後輩に何か言うってのは基本的にないです。でも事務所が一緒だと全然違うんですよね。家族というか“身内”という感じですかね。そう感じるので、気づいたことがあったらなるべく言うようにしています。今回は全員が“身内”ですからね。ビシビシ言ってやろうかと思って来たんですけど、そんな場合じゃなかった(笑)。大変で(笑)。でも、みんなちゃんとやってましたよ。

山寺宏一さん——アクロスさんというファミリー的な雰囲気が伝わる作品になると期待しています。
吹替えにして益々面白くなった!って言われるように事務所一同切磋琢磨して頑張っていきたいと思ってます!
本当に吹替えで映画をダメにしてしまうのは、実は簡単なんですよね。でも、吹替えが上手くいったら、とっても観やすくて、何のストレスもなくスーッと物語が入ってきて、色々な方々にも観ていただけることになります。
今の時代、アドリブやその方の個性だけで作品を最高に面白くすることが出来る方っていうのは、少ないですよね。僕自身もそこまでは出来ないですが、そういった意味では、オリジナルの作品が面白くて良かったです(笑)。

——ロシアにまつわるお話しはありますか?
昔、むか~しですけども、ロシアの方が家にホームステイをしていたって事がありますね。ロシアの大学で教えてるような女性の先生が、何ヶ月かホームステイしていて、すごく仲良くしましたね。ロシア語も覚えようと思ったんですけども、今覚えてるのは「スパシーバ」と「ハラショー」だけです(笑)。
あと、おはスタ絡みで「おはよう」だけはと思って「ドーブラエ ウートラ」っていうのだけ覚えてました。
当時は歌とか色々教えてもらったんですけど忘れましたね(笑)

山寺宏一さん——ではロシアとまったく縁がなかったというわけではないんですね?
色々と気にしてたんですよ、ロシアのことを(笑)。
他にはロシアで開催していたワールドカップをずっと観ていたくらいですね(笑)。

——作品の放送は11月です。
みんな、ワールドカップのことは忘れているかな(笑)。
でも盛り上がるといいなと思います。本当に面白い作品ですから。

——この作品の一番の魅力は何ですか?
一番の魅力はそうですね…エンターテイメント性が高いということです。ざっくりしすぎてますね(笑)。
たくさんの入れ替わりものがある中で、僕の中ではこの作品はかなり上位にいくというか、最高の作品だと言えるぐらいです。
それぞれの役者さんがすごく良いですね。ハリウッドのエンターテイメントに決して負けてないと思います。
笑えるところもホントにたくさんありますし、エンドタイトルまですごいサービス精神満点。
『バーフバリ』でインド映画もやっぱりすごいっていうこともあったのですが、この1本だけで僕はロシア映画を見直しましたね。

——ロシアではコメディ映画が結構制作されているそうです。
そうなんですか。じゃあコメディ好きなんですね。日本に来ていないだけなんですね。
もしかして映画だけじゃなくて、テレビでも楽しい作品がいっぱいあるかもしれないですよね。知らないエンターテイメントっていっぱい世界中にあるんだなということを教えてくれる1本だと思いますね。

——こういった作品でお気に入りはありますか?
アレック・ボールドウィンを演じた『キスへのプレリュード』や『転校生』が大好きです。『キスへのプレリュード』では、「えっ」って思うような設定なのに、観てるとキュンとくるっていう不思議な感じですけど(笑)。
今回は普段やらないような役で、僕が演じた役者さんは相当声も低いし年齢もかなり上なんじゃないかな…歳がわからないですけどね、あの役者さんいくつなんですかね。

——1958年の生まれってありますね。
あ、じゃあ3つしか違わない(笑)。

——収録の感想と作品の見所は?
とにかく楽しくやらせていただきました。アクロスも10周年を迎え、個性的な声優がいっぱいいますので、ぴったりハマっている配役もたくさんあると思いますので、(アクロスのメンバーで)出来たっていうことを非常に嬉しく思いました。
おそらく一番のハマリ役は金田朋子と犬山イヌコになるでしょうね(笑)。
イヌちゃんの占い師役は相当面白いです!舞台だったら絶対本人やってるだろうなっていう感じでね(笑)。
若手も非常に頑張って、面白い作品になっていると思いますので、本当にたくさんの方に吹替え版を楽しんでいただければという風に…あっ、勝手にまとめてますけど(笑)。

——山寺さんだったら見慣れないロシア映画でも、コメディ映画でも観ようかなと思う方もたくさんいると思います。そんな方たちにメッセージをお願いします。
気が引き締まりますね。ロシア映画ファンになるきっかけの1本となるに間違いない、本当に楽しい映画です。最高のエンターテイメントを吹替え版でぜひ体感してください。
…もうちょっとキャッチーな方がいいですかね(笑)。ロシアに引っかけるような。

ワールドカップの次は『コップ・ベイビー』だ!

意味がわかんないですかね(笑)。


山寺宏一さん[プロフィール]
山寺宏一(やまでら こういち)
6月17日生まれ、宮城県出身。ジム・キャリー、ブラッド・ピット、マイク・マイヤーズ、エディ・マーフィーなどの吹替えや、アニメでは『劇場版ポケットモンスター』全作品へのゲスト出演、『GHOST IN THE SHELL/攻殻機動隊』のトグサ役、ドナルド・ダック、『それゆけ!アンパンマン』のチーズ役、TVナレーションではNHK「ためしてガッテン」などを担当、その声を聞かない日はないほどの人気声優。

<6ヶ月連続!吹替王国スペシャル2018>
『コップ・ベイビー【日本語吹替版】』

監督:アレクサンデル・アンドリュシュチェンコ
出演:セルゲイ・ガルマッシュ/アンドレイ・ナジモフ/エリザヴェータ・アルザマソワ
声の出演:山寺宏一/後藤ヒロキ/伊瀬茉莉也

特番:吹替王国サミット in 東京
ロシア発映画『コップ・ベイビー』吹替版に山寺宏一をはじめアクロスエンタテインメント声優陣が集結!吹替収録の様子や10/28に行われたイベントの模様などをお届け!

※番組の放送は終了しました。
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