ダークボのふきカエ偏愛録

#66 水樹奈々さんとの初仕事(たぶん)

これを書いている今、東京2020オリンピックは序盤戦。開幕早々、日本選手の金メダルラッシュでそれなりに盛り上がっているところであります。ここまでいろいろあったし、まだモヤモヤしてるけどね。
(○ッハ会長のロングロングスピーチ、俺に相談してくれればふきカエで面白くしたのに!)

そして東京は、4度目の緊急事態宣言という・・・そんな中でも懲りずに(というか慣れちまった感あり)敢行した新録企画を発表します!
BSテレ東にて 8/30(月) 夜6時54分~放送の、シネマクラッシュ『世界にひとつの金メダル

ダークボのふきカエ偏愛録 ダークボのふきカエ偏愛録2013年のフランス=カナダ合作映画で、オリジナルはフランス語(昨年のドイツ映画『アイガー北壁』以来の非英語映画ですな)。障害馬術競技のフランス代表チームの一員として、1984年のロサンゼルス、1988年のソウルと2度オリンピックに出場したピエール・デュランと、奇跡の名馬ジャップルーの実話に基づく感動ドラマです。
自身も馬術選手だった主演スターのギヨーム・カネが脚本も担当。監督のクリスチャン・デュゲイは『スキャナーズ2・3』とか、昔「木曜洋画」でふきカエ新録した『アート・オブ・ウォー』『EX エックス』とか、B級アクション職人だと思ってたら、実はこの人もかつて馬術のカナダ代表だったんですな。つまりバリバリの「中の人」たちが作った映画だけに、一見地味そうな障害飛越(ひえつ)競技を、めっちゃエキサイティングなスポーツドラマとして見せてくれます。

まさに拾い物の一本なのですが、日本ではあくまで単館公開作。しかもDVDは字幕のみでふきカエなし。
こういうのに出逢うと血が騒ぐ性分なもんで、誰もやらないなら俺がやったるわい、と新録に踏み切った次第です。またまた世界にひとつのふきカエが誕生したぜ。
しかも今回は、2月の『ある日どこかで』に続いてご登板願った頼れるアニキ、高橋剛ディレクターのご推薦で、俺にとってはこれまでにない座組みが実現しました!

ダークボのふきカエ偏愛録主人公ピエール・デュランは、日野聡さん。20年近く前には『インソムニア』や『スズメバチ』でお仕事したけど、いつの間にかアニメでひっぱりだこの人気者になられて(最近では何と言っても「鬼滅の刃」の煉獄さんだよね)。今回もカッコよすぎて、高橋Dから「もっと普通に」と注文されるくらい。
そしてピエールを力強く支える妻ナディアは、水樹奈々さん! たぶん俺、初めてのお仕事です(違ってたらすみません)。俺的にはアニメより、キャプテン・マーベルや『ハンガー・ゲーム』のカットニスのイメージなんだけど、今回は戦うヒロインではないものの、妻として、母としての凛とした演技がお見事でした。
さらに、名馬ジャップルーの誕生時から心を通わせ、厩舎のスタッフとして世話を続ける女性ラファエルは、「ラブライブ!サンシャイン!!」の梨子ちゃんこと逢田梨香子さん。こちらもさすがに初めてです。
さらに!
ピエールの父セルジュ(ダニエル・オートゥイユ)は野島昭生さん。母アルレットは山像かおりさん。
ダークボのふきカエ偏愛録後半に登場する“粋なアメリカ人”(ドナルド・サザーランド)は池田勝さん。ピエールと対立する監督(チェッキー・カリョ)は安原義人さん。
というわけで、メインキャラクター3人を演じたざわつく顔ぶれを、大御所声優陣が囲むという、テレビふきカエならではのゴージャスな布陣になりました。
とは言え相変わらずのこのご時世、収録は3人ずつ入れ替え制だったんですけど。全員で打ち上げたかったなあ。
(ちなみに、安原さんにチェッキー・カリョの声をお願いするのは、木曜洋画の『パトリオット』、『キス・オブ・ザ・ドラゴン』に続いて三度目です。ご本人は気付いてないかもしれませんが)

このふきカエの制作にあたっては、翻訳の石原千麻さんによる綿密なリサーチに助けられて、馬術競技のあれこれを俄かに学習(こういうのもこの仕事の楽しみの一つ)。その上で映画にどっぷり浸った後だから、今は東京オリンピックの馬術中継を見るのが超楽しみです。
でも残念ながら、『世界にひとつの金メダル』のオンエアはオリンピックの閉幕後だから(勝手な連動、便乗は許されないのです)、皆さんにはオリンピックで「予習」して頂きたい。
あえて他局の宣伝をしますね。競馬専門局の「グリーンチャンネル」(BS234ch)で、東京2020オリンピックの馬術中継を無料放送するそうですから、ぜひチェックしてみてください。
なお、馬術競技には「総合馬術」「馬場馬術」「障害馬術」の三つがありますが、『世界にひとつの金メダル』は「障害馬術」の物語です。テレビ中継では意外と大人しく見えますが、映画はド迫力ですよ!

映画を観る前に知っておいて頂きたいのは(観ればわかるように作ってますが)、障害馬術のスコアは減点方式だということ。0点からスタートして得点の加算はなく、ミスをする度に減点。つまり合計点が少ない方が勝ちです。
これさえ知っておけばOK! 人間と馬の熱いドラマを、豪華ふきカエでお楽しみください。
 

いやー、今回は真面目にいい仕事しちゃったなあ。次はもっとやべぇ企画をゴン攻めで行きたいっす。

 

[作品画像はAmazon.co.jpより]
※Amazonのページで紹介しているDVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合や既に廃盤となっている場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。