飯森盛良のふきカエ考古学

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昔のTV洋画劇場はトレンディーだったなぁ、特にCMが一番!?の巻

飯森盛良のふきカエ考古学

12月の『プロメテウス』ザ・シネマ新録ふきカエ佐古真弓さんバージョン、お楽しみいただけましたか?まだ1月に再放送ありますがそれで最後です!ソフトに収録される予定もワタクシ聞いておりません。ゆめお見逃しなきよう!!

その紹介ということでワタクシ、自チャンネルのサイトにも駄文を書いてます。コレなんですが、何故かここでゴールデン洋画劇場のCMの思い出を熱く語る展開となり、それでスイッチ入っちゃって、いゃ~民放映画番組のCMって、本っ当にいいものでしたね!と、今回はその思い出を書きましょう。

まずは大前提。個人的な話で恐縮ですが、ワタクシがTV洋画劇場を木~日 で見まくっていた小学校高学年~高校3年間は80年代後半~90年代前半までと、バブル期とモロに重なる。なので今と比べてCMが実にバブリーでした!

ゴールデン洋画のCMとして特に思い出深い2本が、「真っ赤な草の葉マークの看板」アイレディース化粧品と「ゼロゼロワンダフル」KDD。アイレディース化粧品の方は、ハウススタジオなんでしょうが、日差しの差し込むとてもハイセンスな洋館(オシャレ雑貨もいっぱい)の中をキャメラがうろうろ移動撮影するもの。窓の外からキャメラが室内に入って行き、室内飛び回って最後に商品にグーッと寄る、という映画ばりに凝った撮影もありました。今でもインテリア好きなのはこういうCMたちの影響です。

「ゼロゼロワンダフル」はKDDの国際電話サービスのシリーズCMで、特に、ソウルのソバージュ美女が出る回にはヤラれましたな。彼女の韓国語の響きも可愛くて、今に続く韓流びいきの原点がこのCM。

そしてご存知ダークボ大先輩の木曜洋画劇場!マドラス・モデーロ。まだ普通の二枚目スターだったチャーリー・シーンが出てきて、特に個人的には、どこまでも続く荒野の道路にチャーリーが寝転がって「most in my eyes…」と呟くと、それと同じ歌詞の曲が後追いで流れ始める、という超絶にオシャレなCMがベスト。靴のCMなのに靴そっちのけで世界観のイメージを売る。あの頃の日本には余裕がありましたなぁ。

あとはイギンね!もはやバブリーを通り越して貴族趣味の域。ヨーロッパの古城で外人モデルにドレス着せ、最後はローマ戦車が疾走しながらの「ラ・セレクシオン・ド・ラ・ノブレース。イギン」?と謎のフランス語が流れ、あれは何と言っててどういう意味だったのか未だに謎。

続いては金曜ロードショーです。いすゞジェミニ。これも長く続いたシリーズでした。「街の遊撃手。」とか「才なクルマ。」とか、よく意味わからないんだけどオシャレげなコピー(ってのが80年代的!文化的に豊かな時代でした)に合わせ、そしてクラシックの名曲や「オーシャンゼリゼ」等スタンダードナンバーにのせて、ヨーロッパの街並みを超絶アクロバット走行するジェミニ。あれでクラシックについて随分と勉強させてもらいました。

あとJRのCMね。あの山下達郎の有名なクリスマスのCMだって、毎冬、金曜ロードで今年バージョンに触れてたんだよなぁ。あと原坊の「日本を休もう」とか井上陽水の「その先の日本へ。」とか、和風美を追求したクリエイティヴは、おヨーロッパ趣味が持て囃されてた当時のバブリー感とは一線を画し、国内旅情を誘いました。まぁこれは遡れば原点は70年代の国鉄「ディスカバー・ジャパン」なのでしょうが、我々ザ・シネマがリスペクトしてやまない長塚京三さんの「そうだ 京都、行こう。」キャンペーンへ、今日まで連綿とこの系譜は続いていますね。

ラストは日曜洋画劇場。やはりレナウンですよね! 攻めてましたねー!! ワタクシの時代はブルーハーツの曲と切っても切れない。が、実は1番のお気に入りは、超『アメリ』っぽい映像のやつ。ポップなアレンジのレナウン娘の曲のフランス語バージョンが流れる中、おヨーロッパ調の歌劇場風ステージの上にセミヌードの白人モデルが次々と現れ、〆には「世の中よりも面白く。」と90年代装飾文字(ゴーバンズっぽい書体ね)で出てきて、それとは無関係な「あなたのおかげで、思いは尽きない」とナレで別コピーが呟かれる。商品説明も価格訴求も一切しようとしない、この余裕!とにかく日本人に余裕があった。

それとネスカフェゴールドブレンドの「宮本輝は知っている」とか、あと日本が誇るナショナルの家電!パナソニックのAV機器!ジョージ・ルーカスがCMに出てきたりもして、洋画ばりのクオリティでした。実はルーカスはパナソニックとTHXサウンドを共同開発するんで組んでたから出演した、とワタクシが知ったのは、ずっと後になってからのこと。

と、やくたいもない思い出話を長々してきましたが、蘇りますなぁ思い出が!いゃ~、昔のTV洋画劇場って、本っ当に良いものでしたね!ウチは洋画専門チャンネルの信念として映画本編途中にCMは入れてないのですが、ワタクシ個人は、CMで味付けされた映画、しかもふきカエ映画って、むしろ好きなんです。その思い出でワタクシという人間は出来てる。懐かしいなぁ!YouTubeとかに落ちてないかね!?
 

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