『ハリー・ポッター』吹替えキャスト・スタッフインタビュー

先日「ハリー・ポッター」全シリーズ打ち上げパーティーが盛大に執り行われました。そこでハリー・ポッターの日本語吹き替え版キャスト、スタッフの方々に吹替えについて熱いメッセージをいただきました。

2011年11月16日発売のDVD&ブルーレイ『ハリー・ポッターと死の秘宝PART2』も是非ご覧ください!

ふきカエルインタビュー

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江原正士氏(ヴォルデモート役)
映画を観るのは楽しいですが洋画となると、異国の言葉なので字幕を頼りに見るのは目も疲れるし煩雑ですね。映画を落ち着いて楽しむなら吹替え版です、俳優の表情や作品全体を余裕をもって味わうことができます。私たち演ずる側と演出や翻訳、技術陣、制作スタッフが情熱を込めて、一本、一本、オリジナル作品に迫り超えるべく奮闘努力しています。是非、洋画の字幕での鑑賞ともども吹替え版でも楽しんでください、必ずや作品世界が拡がり洋画の新たな楽しみ方を見つけられることでしょう!


小川真司氏(スクリムジョール役)
ハリー・ポッターとはなかなか御縁がなくて、吹替え版の配役が素晴らしいと思いながら、視聴者として楽しませていただいていました。出演できずに終わってしまうかなと思っていたのですが最後となる作品に、これまで声を当てた事がある俳優が出演していた関係でオーディションをいただき、出演できた事がとても嬉しかったです。映画館で、吹替え版のスクリーンのお客様が徐々に増えている様です。大変喜ばしい事だと思います。


小野賢章氏(ハリー・ポッター役)
ハリー・ポッター役の小野賢章です。10年間あっという間でしたが、いざ終えてみると寂しい気持ちで一杯です。
これからも、日本語にしかない綺麗な響きを大切に、吹替えを盛り上げていける様に頑張りますので、よろしくお願いします。


川島得愛氏(オリバー・ウッド役)
3D映画の登場で、吹替え版の方が観やすい作品も増えてきています。特にこのハリー・ポッターの様に子供から大人まで楽しめる作品においては、吹替えを作る意味が非常に大きかったと思います。
僕達がしっかりとした作品を作り、吹替え版を上演する劇場が増えて、総じて吹替え版を楽しんでいただけたら嬉しいなと思います。
1作品目が公開された時には原作本が大好評でしたので、本を読まれた後に劇場にいらっしゃる方が多かったと思います。字幕版と吹替え版を比べると、吹替え版の方が込められる言葉の数が圧倒的に多いので、より原作に忠実なニュアンスを再現できたのではないかと思います。原作ファンの方には、是非、吹替え版を楽しんでいただけると良いなと思います。


木村絵理子氏(演出家)
シリーズ8作が完結し今思うことは、吹替え版は当たり前のことなんだけどやっぱり”役者さんの声あってこそ”ということ。シリーズを一緒に作り上げてきた役者さんたちは自分にとって戦友のような存在。ハードなスケジュールでの収録など共に闘った感があります。たくさんの声と汗と涙の結晶である”吹替え版”、是非たくさんの方にご覧いただきたいと思います。


郷田ほづみ氏(リーマス・ルーピン役)
ハリー・ポッターは、僕の両親が初めて劇場に観に行った作品となりましたので、そういった意味でも、参加できて嬉しかったですし、僕のアニメでの活動を知らなかった方にも認識していただける様になった事も非常に嬉しかったです。
向こうの役者が命をかけて演じたものですから、原語への拘りを持つのは一理ある事だと思います。しかし、この作品の様に映像にも力が入っている作品を観る時には勿体ないと思うんです。是非、吹替えをご覧になって、映像も余す所なく楽しんでいただきたいと思います。


須藤祐実氏(ハーマイオニ―・グレンジャー役)
10年という長い間、1つの作品と過ごせた時間は、とても貴重でしたし、こんなにも大きな作品に参加できた事も、とても幸せだなと思っています。
吹替え版は、日本語ならではの面白さがあると思います。特にハリー・ポッターの場合は内容的に少し難しい所もありますが、吹替え版でしたら作品自体に集中できますし、こんなに豪華なキャストの吹替えはなかなかないと思いますので、是非是非、吹替え版でお楽しみいただけたらと思います。


高乃麗氏(ベラトリックス・レストレンジ役)
オリジナルの良さはオリジナルを観ればいいというモンじゃありません!
吹替え版の絶妙な翻訳台本や俳優たちのニュアンスなど、吹替え版を観てオリジナルの良さを改めて知るという事もあると思います。それにつけても歴史に残る名作「ハリー・ポッター」に関われて本当に心から嬉しく思います。


谷育子氏(ミネルバ・マクゴナガル役)
ハリー・ポッターの様なファンタジックな作品は、いくつになってもワクワクしますね。心から楽しみました。役柄上、最後はそうはいきませんでしたが(笑)
吹替え版は、何しろ、日本語がダイレクトに耳に入ってきますから、シーンもダイレクトに楽しめるのが素晴らしいですよね。最近の吹替えは配役も台詞もピッタリですから、どうぞ吹替えを愛していただきたいと思います。


辻親八氏(シリウス・ブラック役)
この作品に出演できて本当に光栄で、僕の財産になると思います。
オリジナルが素晴らしいからこそ僕たちの吹替えも生きると思うのですが、さらに日本語吹替え版ならではのよさも知っていただきたいですね。僕たちの仕事を楽しみに観ていただきたいと思います。


永井一郎氏(アルバス・ダンブルドア役)
良い映画に出会えて本当にラッキーだったと思います。感謝の気持ちで一杯です。僕はこれまで主役を演じた事が無いのですが、とても素敵な脇役と沢山出会えた事もラッキーだなと思います。この世界的に有名な作品を、是非、吹替えでお楽しみください。


土師孝也氏(セブルス・スネイプ役)
吹替えは、自分の技術もそうなのですが、やはり向こうの役者の魂の入った演技が凄いんです。それに負けない魂を私達も込めていくので、この魂同士がシンクロした中で吹替えをしていました。アラン・リックマンという役者の波にのっかっていたのだと思います。
私の役者人生の中で、もう一度、こういう作品に出会えたらいいなと思っています。


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インタビュアー:水落幸子
リライト:鶴岡 聡