※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。

『セーラー服と日本刀』

ローマ字入力で「M」「O」「E」と打つと瞬時に「萌え」と変換してくる我がパソコン。ATOKの学習能力、畏るべし。つーか、そんな言葉を使う子に育てた覚えはないぞ!誰に教わったんだ!

>私です。

 

『エンジェル ウォーズ』

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母の死後、遺産を狙う義父により、精神医療施設に収容されてしまった少女・ベイビードール。なんとかここから脱出せねば…。彼女は施設の中で、自由を夢見て空想を広げる。15世紀の日本で、怪物のような武将たちと日本刀で闘うのだ。そんな彼女に、賢人が助言を授ける。自由を手に入れるためには、地図、火、ナイフ、鍵、そしてもう一つのあるものを手に入れろ、と…

(日本語吹替え版のスタッフ・キャストはこちら)

『ウォッチメン』や『300<スリーハンドレッド>』で、アメコミの発展型であるグラフィック・ノベルを実写で映像化するという離れ業を展開してきたザック・スナイダー監督。今回の『エンジェル ウォーズ』は前二作とは異なり、監督自身の原案によるオリジナル作品となった。巨大産業であるハリウッド映画には莫大な資金が投入される故、その企画段階ではビジネスの見地から厳しい分析と検討がなされるであろう事は想像に難くない。その企画会議の席上、居並ぶメジャー・スタジオの重役や弁護士、ファンド・マネージャーといったお歴々を前に、我らがザックはこう言い放った。

「すっげえイカす話考えちゃった!あのさ、ロリロリな女の子が日本刀背負ってマシンガン持ってんの。そんで押井守の「ケルベロス」みたいなのが悪モンでさ、そいつらをバリバリバリーってやっつけちゃうの。お約束の「壁を蹴ってハイキック」もカマしちゃうよ。もちろん衣装はミニスカのセーラー服にサイハイソックスね!あとさ、チェーンガン付きのパワードスーツに乗ってドドドドドーって!あ、パワードスーツにはウサギちゃんのペイントが」

…おいおいw

しかし通ったのだ。この企画が。かくして、中学二年男子レベルの妄想は莫大な資金とトップレベルのスタッフを得て、とんでもなく痛快なアクション・エンターテインメントとなった。小学生男子が「ぼくのかんがえたかいじゅう」を『帰ってきたウルトラマン』に応募して採用されたようなもんだ。俺が送った「冷凍怪獣ブラキオン」はボツだったのに。自信あったんだよー(泣)

遡ること十年前、やはり中二病の妄想炸裂映画が大ヒットした。「俺は現実社会じゃ冴えないいじめられっ子だけど、夢の中じゃグラサンにロングコートでカンフーとかカマしてむちゃくちゃ強いんだぜ!」の『マトリックス』。「とにかくカッチョイイものを片っ端から並べた」この映画は、その「カッチョイイ」ビジュアルの構築に全精力を注入して一点突破を図ったことにより空前の大ヒットとなった。あのエビ反りポーズがそこら中に氾濫し、真似して腰をやっちゃった「もと中二男子」も多々。

しかしハリウッドにおける「柳の下のドジョウは三匹まで可」の法則に則り二作目・三作目と回を重ねるに連れ、広げた大風呂敷の畳み方を考えていなかったウォシャウスキー兄弟は破綻する。一作目のビジュアルの拡大再生産(あの「101匹スミス君大行進」!)はまだしも、アーキテクトの説明調長ゼリフには「書いてるオマエが分かってないだろ!」と世界中からツッコミが入った。

ウォシャウスキー兄弟が足を取られた論理性の泥沼を、ザック・スナイダーは妄想の翼を羽ばたかせてひらりとかわし、返す刀でゾンビ兵士たちをぶった切る。何せ夢の中の世界だから、そりゃ何でもアリですわ。可憐な戦闘美少女たちがしなやかに躍動しながら破壊と殺戮を振りまく姿は「燃え」と「萌え」が渾然一体となった、まさにオタクたちにとっての桃源郷。いやあ、長生きはするもんですなあ。

が、しかし。スクリーンを暴れまわるアキバ産の美少女キャラたちは、実はハリウッド映画人の血肉とも言える「アメコミのDNA」を内包している。演じているのもLA育ちのバタ臭い(外人なんだから当たり前か)女優たちで、吾妻ひでお描くところのミャアちゃん(知らない方はググってください)のような国産美少女ではない。いや、そこのギャップがまたたまらん、という見巧者はさておき、「神は細部に宿り給う」というアキバ系原理主義者には、そのギャップを埋める選択肢があって然るべきかもしれない。そこで、吹替え版の出番である。

吹替え版で主演陣の声を担当するのは声優ユニットの「スフィア」。アイドル声優と侮るなかれ、これまで幾多の萌えアニメで主役を張ってきた歴戦の勇者である。彼女たちの声を得て、天使の戦いはまた違った魅力を放ち始める。ハリウッド産の少女たちが萌えコスに身を包み、アメコミの疾走感でアキバ系の異世界を跳躍し、アイドル声で裂帛の気合を発しつつ、巨大ロボットを叩っ切る!

ある意味、物凄い贅沢ではあるまいか、これは。

(あ、ちょっと大きい女の子のお友達!元祖戦闘美少女の深見=セーラーヴィーナス=梨加お姉様の声も聞けますよ!)

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この度の東日本大震災の被災地の皆様、心よりお見舞い申し上げます。
私たち一人一人が出来る事を心掛け、一日も早い復興を祈るばかりです。

 

ミュージック・オブ・ハート [DVD]

さてこのような中、何をおすすめしようか悩みましたが、やはり人を救うのは人々の「心」と「行動」。 今回は、音楽を通して人種の枠を超えた心の交流を描いた

『ミュージック・オブ・ハート』
[画像はAmazon.co.jpより]

を紹介します。

この作品は、実在する女性ヴァイオリン教師、ロベルタ・ガスパーリの現実の物語を基にしています。
主人公のロベルタを演じるのはメリル・ストリープ。他にも、ジャネット校長にアンジェラ・バセット、イザベル役にグロリア・エステファン(主題歌も唄っています)などが出演。

舞台はニューヨークのイースト・ハーレムの小学校。
人種問題を抱えながら、子供たちにヴァイオリンを教えるロベルタ。
周囲の人々の困惑をよそに、数々の問題を克服しながら邁進する。

そしてラストのカーネギーホールでの演奏シーンには、一流音楽家のアイザック・スターン、イツァーク・パールマンも登場し、圧倒されます。
不覚にも涙を流さずにはいられない。一生懸命頑張れば多くの人の心を動かし、悪い事の次には良い事がある。 そんな希望を与えてくれます。

吹替えのキャストは、ロベルタ役に塩田朋子さん、ジャネット校長役に杉村理加さん、イザベル役に山像かおりさんらの実力派が勢揃い。

それからこの作品。監督には、『スクリーム』『エルム街の悪夢』などで知られる、あの、ウェス・クレイヴンなのだからマジでビックリ!!です。

 

アンカーウーマン [DVD]

2本目は、ニュース番組のアンカーウーマンを目指す女性を主人公にした、
ズバリ、その名も

『アンカーウーマン』
[画像はAmazon.co.jpより]

マイアミの小さなローカル局に採用され、プロデューサーのウォーレンの下に配属されたタリー。
彼のアドバイスを受けながら、レポーターとして人気も上昇。
フィラデルフィアのTV局から報道記者としての仕事が舞い込んでくる。
そんな中、ウォーレンへの尊敬の気持ちがいつしか愛に変わっていく。
一人、大都会へやってきたタリーは、人気アンカーウーマン、マーシャのいじめにあうが、ウォーレンの愛に助けられ、人気、実力共にマーシャを超える。 そして刑務所内の実態の大スクープをきっかけに、全米ネットのアンカーウーマンに抜擢!

そんなタリーに、取材中のウォーレンの悲報が…。
やがて彼女は悲しみを乗り越え、報道とは「真実を語る事です」と宣言する。

主人公タリーにミシェル・ファイファー。声は、小山茉美さん。
ウォーレンにロバート・レッドフォード。声は、野沢那智さん。
マーシャにストッカード・チャニング。声は、塩田朋子さんという豪華版です。

今、私たちにとっても、報道の在り方についてきちんと考えなくてはいけない時です。 デマや風評に惑わされない強さを持ちたいものです。

 

と、この2本を真面目におすすめしちゃいます。

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