外国映画をこよなく愛している方、数々の吹替えの制作現場に携わっている方、音声業界でも名うてのふきカエ愛好家の方々・・・吉田プロデューサーと長谷川マネージャーとMr.ダークボと飯森主任が毎月楽しいコラムを掲載!毎月2名ずつ更新していきます。

※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。

『我々を焼いたら…あんたも焼きつくされる』

民衆への圧政と虐殺を繰り返す独裁政権。強大な権力を握るスノー大統領を前に、カットニスは毅然としてこう言い放ちます。この瞬間、彼女は「生き延びるために戦う少女」から、「革命運動の象徴」へと変貌を遂げました。やがて反乱軍の英雄となる【マネシカケス(原題のMockingjay)】が、ついに誕生したのです。


『ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス』

ハンガー・ゲーム FINAL:レジスタンス

記念大会として特別に開催された第75回「ハンガー・ゲーム」の闘技場から危機一髪で救出されたカットニスは、滅亡したとされていた第13地区の地下にある、反乱軍の秘密基地に収容される。そこではコイン首相率いる反乱軍が、独裁国家パネム打倒に向け、武装蜂起の準備を進めていた。カットニスも革命のシンボルとして反乱軍とともに戦うことを決意するが、スノー大統領はピータを人質に反乱軍の結束を乱し、革命の芽を摘み取ろうとしていた。反乱軍はピータ救出作戦を決行するが…


2008年に出版され、瞬く間に全米でベストセラーとなった小説『ハンガー・ゲーム』。当時新進気鋭の若手女優だったジェニファー・ローレンスを主演に迎え、映画化の第一作が公開されたのは2012年でした。
この一作目が全米はもとより世界中で大当たりしたことからシリーズ化が決まり、2013年には二作目となる『ハンガー・ゲーム2』が公開され、こちらもヒットします。
その間にジェニファーは、『世界にひとつのプレイブック』で第85回アカデミー賞の主演女優賞を受賞。人気に加えて演技の実力も証明し、ハリウッドのトップスターへと大きく飛翔しました。

そうやって主演女優があまり偉くなってしまうと、ファンとしては「もうアクション映画になんか出てくれないんじゃ…」と不安になるのですが、心配は御無用。かつて『チョコレート』の主演でアカデミー賞を受賞した直後に『キャットウーマン』でコスプレ・アクションをやってくれたハル・ベリーのごとく、泥まみれになって野を駆け、弓を引くオスカー女優ジェニファー・ローレンス。女優の鑑ですな。

もちろん他の主要キャストも続投。中でも、本作の撮影終了間際にこの世を去ってしまったフィリップ・シーモア・ホフマンの好演が光ります。前作『ハンガー・ゲーム2』で独裁者スノー大統領(ドナルド・サザーランド怪演!)の右腕として登場し、鋭い眼光と不気味な存在感で場面をさらってしまったブルターク役。よくある悪役と思いきや、ドラマの終盤で思いがけない別の顔を見せて今後の展開の要となってしまう、重要な役どころでした。そんな変わり身をリアルに見せてしまえるのも、ホフマンの卓越した演技力とキャラクター性があってこそ。今回の三作目でますます魅力的な存在となっていくブルタークの姿を見るにつけ、演じるホフマンの早すぎる死が悼まれてなりません。

もちろん日本語吹替え版も同時公開。水樹奈々さんや山寺宏一さんを始め、人気・実力ともトップクラスの声優たちが、華麗な声の共演を聞かせてくれます。

(日本語吹替え版のスタッフ・キャストはこちら)

この『ハンガー・ゲーム』シリーズ、原作の小説は三部作ですが、映画版は第三部の「FINAL」をさらに前・後編の二部に分けました。ちょっと前の『ハリー・ポッター』や、これから作られる『アベンジャーズ』の第三部でも同じ手法が取られるとのこと。シリーズものは終盤にかけてますます怒涛の展開になっていくので、余すところなく映像化するには二時間ちょっとでは足りないのですね。このシリーズも、今回の前篇『レジスタンス』に続き、クリスマス・シーズンには本当の最終作となる『レボリューション』が公開されます。
フィナーレに向けていよいよ盛り上がっていくアクション超大作『ハンガー・ゲーム3』。ぜひ劇場でご覧ください。

そして話題の吹替え版と言えばもう一本、『マッドマックス 怒りのデス・ロード』も6月20日に公開されます。既に発表された異色の吹替えキャストもさることながら、旧三部作を凌駕するほどの目を見張るアクションが炸裂する、三十年ぶりのシリーズ最新作。こちらも期待大です。
また本作の公開に先立ってはBSジャパンの必殺仕事人ことダークボ氏が、例によって何やら企んでいる様子。詳しくはこの後のコラムをご覧ください。こうご期待!


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[画像はAmazon.co.jpより]

この機会に前二作をまとめておさらい。疾風怒濤の5時間。


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マッドマックスも連続放送!

日本で試写が回り始めてから、ネガティブ評は1つも聞こえてこない。公開前からテンション上がりまくりの新作『マッドマックス 怒りのデス・ロード』(6/20公開)。

(日本語吹替え版のスタッフ・キャストはこちら)

これに見ず転で食らいついたのは案の定、テレビ東京「午後のロードショー」と、BSジャパン「シネマクラッシュ金曜名画座」だ!
…とは言うもののこの両者、同じビルの1フロア違いで作業しているというのに、互いの動きを知らないまま、勝手にMM応援(便乗)プロジェクトを進めていた。果たして両者のラインアップは…

テレビ東京「午後のロードショー」 (午後1時35分~)
6月 5日(金) 『マッドマックス』
6月12日(金) 『マッドマックス2』
6月19日(金) 『マッドマックス/サンダードーム』

BSジャパン「シネマクラッシュ金曜名画座」 (夜8時~)
6月19日(金) 『マッドマックス』
6月26日(金) 『マッドマックス2』 (6/5頃アップ予定)…2本だけだ。悪いな。

もちろんすべてふきカエだが、午後ロードは早々に、3作とも現存する旧テレビ版での放送と決めた。しかしそうすると、マックス(メル・ギブソン)のふきカエは、『1』が安原義人さん、『2』が山寺宏一さん、『3』が岡本富士太さんと、毎週違う声になってしまう。
ふきカエにこだわるわが「シネクラ」は、かくなる上は!とマックスの声を揃える企てを開始した。どうせ2本だけだし! 2本とも新録してやるぜ! 新録するならメルギブは「I」さんだろ!

…そんな矢先、驚くべき情報が飛び込んできた。新装発売されるブルーレイBOXで、マックスの声が揃ったらしい。まさかIさんでは? …違った。
『1』が1982年から繰り返し放送され、日本の洋画劇場ファンが最も馴染んでいるマックスの声は、やはり安原義人さんだろう。殊に『1』のマックスはまだスーパーヒーローじゃないし、安原さんのナイーブなふきカエは絶品。ということで、『1』に合わせて『2』と『3』を安原さんで新録されたのだそうだ。

そう聞いて、血気にはやっていた俺の心は折れた。いや、会社員としての理性を取り戻した。
新ブルーレイBOXの発売は6月17日。『2』を発売日前に放送する「午後ロード」は無理でも、発売後の放送になる「シネクラ」なら、新録ホヤホヤの安原バージョンを使わせてもらえるかもしれない。
日頃は「テレビ版」至上主義の俺だが、今回ばかりは安原さんのふきカエが聴きたい、聴かせたい。かくして交渉の結果、新ブルーレイのお披露目として、BSジャパンでは2週連続、安原マックスでお送りすることになった。

このコラムの更新前に、「ちょっとした仕掛けがあります」なんてツイートしちまったもんで、MMファン、ふきカエファンには過大な期待をさせちまったようだが、〈「午後ロード」と「シネクラ」を両方観れば、『マッドマックス2』の聴き比べができまっせー!〉というのが“ちょっとした”、本当にちょっとした仕掛けなのであった。
がっかりさせちまったかな?…すまん。お詫びと言っちゃ何だが、番組内でプレゼントもぶちかますんで、どしどし応募してくれ。それと、一時はその気になった新録は、いずれ別の企画で決行するからな。

そうそう、『マッドマックス/サンダードーム』の安原バージョンは放送されないので、3作とも安原マックスで聴きたい人は、ブルーレイBOX<スーパーチャージャー・エディション>を購入されたし。これも“ちょっとした仕掛け”の一部ってことで、そこんとこよろしく。

マッドマックス トリロジー スーパーチャージャー・エディション ブルーレイ版 スチールブック仕様(3枚組) [Blu-ray]


[作品画像はAmazon.co.jpより]


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