外国映画をこよなく愛し、数々の吹替えの制作現場に携わり、音声業界でも名うてのふきカエ愛好家である吉田プロデューサーと長谷川マネージャーとMr.ダークボ がぜひ観ていただきたい名作・秀作をご紹介!

※Amazonのページで紹介しているビデオテープ・DVD・ブルーレイ等のソフトは、日本語吹替え音声を収録していなかったり、このページで紹介しているものとは異なるバージョンの日本語吹替え音声を収録している場合もありますので、ご購入等の際はご注意ください。

師走の選挙も終わり、あっという間に2015年! 皆様、あけましておめでとうございまーす!! おかげさまで、また歳をとってしまいました! (トホホ…)そんな私ですが、今年もよろしくお願いいたします!!
では、新しい年1作目の紹介です。2008年の大ヒット作。この私が、あの時夢中になって本を読んだ、男のマロン、歴史のマロン…じゃねぇ!ってロマンです。その名も

レッドクリフ Part II -未来への最終決戦- スタンダード・エディション [DVD] レッドクリフ Part I スタンダード・エディション [DVD]

『レッドクリフ』
[画像はAmazon.co.jpより]

監督には、アクション映画を撮らせたらピカ一のジョン・ウー氏。撮り終わってみたら、5時間を超えちゃった!! そんな訳で『レッドクリフpartⅠ』『レッドクリフpartⅡ-未来への最終決戦-』の2部作での上映になりました。
ストーリーは、言わずと知れた三国時代の中国。漢の丞相の曹操は北部を平定し、南部を制圧しようと企む。その目的とは、天下統一に邪魔な劉備・孫権の抹殺だけでなく、周瑜の妻となった天下一の美人小喬を奪取することだった。荊州にいた劉備軍は、曹操軍に追いつかれ敗走。劉備は、諸葛亮孔明の提案に従い、孔明を孫権の元へと派遣する。孔明は、孫権の総司令、周瑜と意気投合し、1つの大きな力となって、共に曹操と戦っていくのであった。そして、三国志前半の見せ場、赤壁の戦いへのクライマックスへと続く。結末が分かっていても、ハラハラドキドキの大興奮!!
そんなストーリーをより盛り上げるかのごとく、ふきカエのキャストも豪華!!
まずは劉備軍。劉備には、シュワちゃんの声でおなじみの玄田哲章さん、孔明に東地宏樹さん、関羽に楠大典さん、張飛に廣田行生さん、趙雲に佐久田脩さん。そして孫権軍。孫権に平田広明さん、周瑜に山寺宏一さん、甘興に中村獅童さん(本人役)、魯粛に大川透さん、小喬に岡寛恵さん。トリは曹操に磯部勉さん、と涙がちょちょぎれる豪華さ!!
とにかく余計なことは言いません。血が湧き燃えたぎる! 是非、この合戦劇で寒い冬なんかぶっとばせー!!(と言いながらストーブの前でぬくぬく中)

 

ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日 [DVD]

2作目は、2013年に公開された

『ライフ・オブ・パイ/トラと漂流した227日』
[画像はAmazon.co.jpより]

監督は、アン・リー氏。
少年パイは、円周率を延々と暗記するほど賢く、泳ぎも得意な活発な子。インドで動物園を経営する父サトッシュ、母ジーダと兄ラヴィでの4人暮らし。そんな中、パイ一家は新天地を求めて、動物と共にカナダを目指す。しかし、乗船した貨物船は太平洋上で海難事故に遭い、16歳のパイと数頭の動物だけが助かる。ライフボートの上で動物たちと過ごしていくが、とうとうパイとベンガルトラだけが生き残った。パイは、ボートにあった道具で筏を作り、ボートと筏で広い広い海を彷徨い続ける。そんな1人と1頭の関係が、観ていてとても怖く、そして切ない。パイの真剣な目、トラくんの真っすぐな瞳。グイグイと映画の中に引き込まれます。
ふきカエのキャストは、パイを木村良平さん、サトッシュを木下浩之さん、ジーダを山像かおりさんが演じています。

さぁ寒—い冬、部屋でぬくぬくしながら、DVDのスイッチON!! 今年もたくさんの映画に出会えますように!!

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パンパシフィック伝言ゲームに敗退!


マーキュリー・ライジング

懐かしふきカエを発掘して再度お茶の間にお届けしている当チャンネル。視聴者の皆様から沢山のリクエストやお叱りの声をいただきます。リクエストには、お応えできるものと、できないものがありまして、お応えできない理由のうち一番決定的でどうしようもないのは、「懐かしふきカエのテープがもう無い」というもの。2~30年ぐらい前にTVで放送されたテープを発掘してこようというのですから、もう無くなっちゃってた、というケースだって少なくありません。

そうそう、こんなこともありました。とある映画を放送したいなぁと思って、権利者に問い合わせてみたところ、「素材、1タイプだけなら保管があります」との返事があり、テープを取り寄せて中身を確認すると、SDの昔のTV版ドンピシャずばりで、まさしくこちらが望んでいたもの。よし、これを放送しよう!と、さっそく手続きと作業を進めることにしたのであります。これ、ワタクシの発掘作業のいつもの流れ。

それがその映画、最近どうやら他チャンネルさんの方でHD版が制作されていたらしいという衝撃の事実に途中で気づいてしまった。新たにHDマスターテープの画に昔のふきカエ音声だけをかぶせたキレイな画質のものがあって、さらに、昔の懐かしふきカエ版はTV版ですから、もちろんカットされてるシーンがある訳ですが、他チャンネルさんはその欠損シーンの音声の追加収録まで行ったとのこと。

ワタクシが最初から追加収録HD版が存在することを知っていれば…。あるいは、権利者に問い合わせた時点で「素材、2タイプ保管があって、1つは大昔のTV版。もう1つはそれをもとに追加収録しHD化した最近の素材」と判ったら、「HD版の方を貸して!」となっていたでしょう。でも、それは今回、不可能だったのです。

ワタクシが話をしている「権利者」というのは、正しくは、日本で代理販売をしている日本の配給会社のことでありまして、そこに問い合わせて「素材、1タイプだけ保管があります」とSDカット版テープを貸してもらった訳ですけど、一方、他チャンネルさんの方は、日本の代理店を通さず、本国の権利元と直接やりとりしていた。ということで、彼らが作ったノーカット追加収録HD版の存在を、日本の代理店が把握してなくてもこの場合は当然なのです。

ちなみに前にも書きましたが、他チャンネルさんが作られた、このノーカット追加収録HD版ですが、だからといってそれがそのチャンネルさんの持ち物になる訳ではありません。せっかくお金かけて作る訳ですが、作ったテープの持ち主はあくまで映画の権利者になるのです(そもそも作る前に権利者の許諾が必須)。

さぁ、こうなると、「そのノーカットHD版の方を放送したいんですけど…」というワタクシの要望は、①ウチのチャンネル→②日本の代理店→③他チャンネルさんへ、さらに他チャンネルさんから④本国権利元の窓口部署(第三国)→⑤本当の本国権利元へ、「ザ・シネマにテープを貸し出してもいいか?」と話が伝わっていくことになるのですが、プレイヤー5人による3ヶ国を股にかけたパンパシフィック伝言ゲームということで、時間かかりまくりなのです!

結局、今回は時間切れで、今、確実に手元にある、日本の代理店から貸してもらった大昔のSDカット版の方を放送せざるをえないことになってしまった、という次第であります。

懐かしふきカエ愛好家の諸兄諸姉は、皆様たいへんお詳しいので、ワタクシきっと、「ノーカットHD追加収録版を他チャンネルがこないだ制作してるのに、なんでそっちを放送しないんだ!」と、お叱りを受けることになるでしょう…しかし、実は水面下で、このような息詰まる熾烈な攻防が、日米間を股にかけ日々繰り広げられているのだ、ということを、今回は皆々様に縷々訴えたかったのであります。なお、これを一言で「言い訳」と申します。

以上、なんとも残念なお知らせでした。ヘタ打ったなぁ…。これだけだとナンですので、ポジティブな情報も最後にサラっと。2月、『マーキュリー・ライジング』と『ジャッカル』のふきカエ版、やります!

ってお詳しい諸兄諸姉から「それ前月にもやってただろ!再放送じゃないか!!」とさらにお叱りを受けそうですが、『マーキュリー・ライジング』は前月まで昔のSDテープで放送していたものを、新たにHD化してお届けすることにします。嗚呼お金かかった!それと『ジャッカル』は、今までDVDふきカエ版を放送してきましたが(1月にも放送してます)、昔の懐かしTV洋画劇場リスペクトを公言して憚らない当チャンネルとして、日テレ金曜ロードショー版も、2月限定でやります。どちらもブルース・ウィリスをあの野沢那智さんがアテられたバージョンで、ソフト未収録のレア音源ですよ!お聴き逃しなく!!

ザ・シネマふきカエFacebookもよろしく。)

ジャッカル

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